教育社会学の勉強・備忘録

教育社会学のお勉強メモ。Macユーザーのための記事もたまに書きます。

高校での習熟度別学級について

「習熟度別学級良い!」「習熟度別学級悪い!」という意見は、当たり前ですが場合によって判断が分かれます

なので、後学のために、メモしておきます。ただ分類を行っただけです。当たり前のことを書いております。

高校にはいろいろありますので、まずそれを分けるところから始める必要があります。この記事で検討するのは国立・公立高校の普通高校に限ります(私立高校と専門高校、定時制通信制高校については詳しくありませんので……あしからず)。

高校の分類とその例

習熟度別にする分け方の分類

クラスを分ける方法

クラスを分ける場合、入試時点で分ける場合と入学後の進級時点で分ける場合の2つがあるかと思います。

  • 普通科の他に理数科などを別の課程として用意
    • SSHの高校とかに多い印象。こちらは入学後で分けることは不可能。
  • 普通科の中で同じ課程の特進クラスなどを用意
    • 私立高校と地方の進学校に多い印象

授業のみを分ける方法

いわゆる実技教科(体育、技術、家庭、芸術)などは分けず、座学教科(って言い方は普通しないと思うけど、国語、数学、英語、理科、社会)で授業を分けるという方法もあります。特に数学なんかは差が開きやすいので、何らかの方法でクラスを分けると有効かもしれません。

  • 特定の教科の授業時のみ習熟度別にする
  • 特定の教科の授業時のみ、習熟度別にはしないが少人数制にする

分ける場合の比率

高学力クラスを1クラス、普通クラスを5クラスにするなど、比率の問題もあります。

授業についても同様、40人から上位の生徒10人だけにエリート教育をするのか、下位の生徒10人だけに補習教育をするのか、様々なパターンがあります。

習熟度別教育のメリット・デメリット

  • メリット
    • 生徒としては、自分の能力に見合った教育が受けやすくなります。
    • 教師としては、生徒の学力の分散が小さいほど、授業がしやすくなります。
  • デメリット
    • 生徒としては、学力が低い方のクラスに入れられてしまったという不快感を覚えるかもしれません→両方のクラスの生徒を普段から交流させたりすることで、緩和されるかもしれない。あるいは、上位のクラスを1クラスのみ、他のクラスを5クラスなど、数に差をつけると良いかもしれない。
    • 生徒本人の低学力が本人の責任ではない場合(家庭の経済的状況など)、やり方によっては不平等な学力格差を広げることにつながる
    • 教師としては…思いつきませんでした。

高校での習熟度別学級を考える

高校での習熟度別学級を考えるとき、本来は以下のような4つの観点をクロスして考えるべきです(他にもクロスすべき観点がありましたらお教え下さい)。

高校の分類 × 習熟度別にする分け方の分類と比率 × 入試学区 × デメリットを緩和できる方策

例えば例えば……

  • 全県一区、全員が高校から入学
    • 全県一区であることから生徒の入学時学力と卒業後の進路希望にばらつきは少ないために、習熟度別学級の必要性は少ないです。せいぜい、3年次の数学でクラスを少人数制にするくらいでしょうか。
  • 学区制、全員が高校から入学
    • 学区制の場合、生徒の入学時学力と卒業後の進路希望のばらつきが大きくなりがちです。専門学校に行きたい生徒にむやみに教科学習ばかりをさせないためにも、習熟度別学級を作るほうが良いかもしれません。
  • 全県一区、一部が付属中学校から入学する場合
    • 付属中学校の生徒のほうが進度が早いため、学力が高くなりがちです。付属組と高校入学組で習熟度別学級を作るほうが良いかもしれません。ただ、そうしていない学校もあります(私立開成高校筑波大学附属駒場高校など)。付属組と高校入学組のクラスは違っているけれども、お互いを比較しあわないような工夫をしている学校もあります(さいたま市浦和高校など)。
  • 付属幼稚園から持ち上がりの場合
    • これは別の高校に入れると考えるくらいの習熟度別学級が必要と思われます。生徒にとっても教師にとっても必要なことでしょう。

こんなかんじでしょうか。